実はすごいパワーが!「伝統野菜」と「一般野菜」の違いがすごい!
伝統野菜をご存知ですか?
ただ伝統的に作り続けられた野菜だと思ったら大間違い!
実は伝統野菜には、一般的な野菜とは違った驚くべきパワーが含まれています!今回はその伝統野菜の成り立ちや、おすすめポイント、海外での評価、現在抱える課題など、その魅力を余すとこなくお伝えします。
伝統野菜の成り立ちと性質
伝統野菜とは?
伝統野菜とは、種を取っては植えて育て、翌年また取っては植えて…を伝統的に繰り返された野菜のことです。
一番強く育ったものの種をとり、次の年にそれを植えては育てるという循環を、代々繰り返します。
するとその野菜は長い年月をかけてその地に順応します。性質は土地柄の風土に適応し、見た目にも個性を帯びます。そのようにして受け継がれた野菜が伝統野菜です。
野菜本来の風味と栄養価を持つ
伝統野菜は、長年かけて徐々に風土に合わせた実力を備えていきます。蓄える栄養価は豊かになり、味わいは奥深く、甘味、酸味、苦味、辛味、えぐみなど、野菜本来の風味を色濃く含む野菜となります。
伝統野菜は、西洋ではエアルーム野菜と呼ばれる
伝統野菜は、西欧ではエアルーム野菜と呼ばれ、オーガニック野菜より評価が高い地域もあるほど。
エアルーム(heirloom)は「財産・家宝」という意味で、西欧では家宝や財産のように大切に守り継がれる野菜ということで「エアルーム野菜」と呼びます。代表的なのはトマト。
何十種類もあり、生食向き、煮込み向き、炒め向きなどバラエティーに富みます。西欧の「エアルーム野菜」は、有機野菜よりも先に売り切れるほど価値が認められています。
普段食べている野菜は「ハイブリッド品種」
私たちが日ごろスーパーなどで買う一般的な野菜は、「ハイブリッド品種」「f1品種」(以下、ハイブリッド品種に統一)などと呼ばれるものです。
現在の農業では、種は購入しなければなりません。その種は「育てやすい」「食べやすい」などの性質も備えています。また、ハイブリッド品種の種は、伝統野菜のように次の年植えても同じようにうまく育たないようにできています。
金沢市の伝統野菜「加賀野菜」
私たちHORITAは石川県金沢市の老舗八百屋ですが、この金沢にも「加賀野菜」と呼ばれる15種類の伝統野菜郡があります。
写真にある、真っ赤な打木赤皮甘栗かぼちゃ、小さくてかわいいヘタ紫なす、葉が紫と緑の金時草など、外見が個性的なものがありますね。
どれも味わい深く、地元民に愛され、加賀伝統料理にもよく用いられます。
商売に不向き!?伝統野菜が抱える課題
形がそろわない
伝統野菜は、たくさん育てても形や大きさがそろいにくい傾向があります。現代は野菜の見た目、形の良さなども高く買われる重要なポイント。
伝統野菜はその点どうしても分が悪くなります。
手間がかかる
伝統野菜はその地の風土に順応しているとはいえ、やはりハイブリッド品種に比べて栽培に手間がかかります。より効率化が求められる時代において、この点も問題の一つです。
このように、伝統野菜は商売目的で栽培するのはやや不向きだといえます。加賀野菜に限っても、年々生産者が減り続け存続が危ぶまれている野菜もあります。
しかしそれでも、伝統野菜の価値を知る生産者は、その種を絶やしてはならないと、伝統野菜の存続を守り続けています。
伝統野菜の未来はこれから!
素材を生かし切れば絶品!
伝統野菜は、料理好きな方々のライフスタイルを優雅にしてくれます。
上の写真は、加賀野菜のヘタ紫なすで作った煮物。一日寝かすと何とも言えないコクがでます。不思議ですね。
伝統野菜は、調理法の向き不向きまであり、ハマると絶品料理ができます。ほかにも源助大根はおでんにすると「天下一品の味」と評されます。
長所を最大限に生かす料理が楽しめる、料理好きには格好の食材です。
まとめ
伝統野菜とは、強い種を取っては植えて育てるサイクルを長年繰り返すことで、その地の風土に順応し、野菜本来の風味と高い栄養価を備えます。西洋ではエアルーム野菜と呼ばれ、オーガニック野菜より評価が高いことも。金沢にも14の伝統野菜郡である「加賀野菜」があり、加賀伝統料理を支え続けています。伝統野菜は料理の向き不向きもあって、ハマると絶品です。