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ルビーロマンを、取扱量全国1位の金沢の八百屋が徹底解説!

「ルビーロマン」をご存知ですか?


石川県が誇る最高級ぶどうで、

初競り価格は100万円を超え、通常でも1万円以上。

8月上旬から9月中旬に旬の時期を迎えます。

夏のギフトシーズンにお中元などの贈答品としてよく用いられます。


ルビーロマンの味は?

どんな特徴があるの?

贈る場合はどんなことに気を付けたらいい?

そんな疑問に、ルビーロマンの取扱量全国No.1の、私たち金沢の老舗八百屋の堀他が、ルビーロマンについてどこよりも詳しく、余すことなくお伝えいたします。


ルビーロマンとは




日本最高級ぶどうルビーロマン


一房なんと140万円!


これは、2021年のルビーロマンの初競りの価格です。 

ルビーロマンは、石川県が誇る、日本最高級ぶどう。


鮮やかな赤色はまるで宝石のよう。

大きさは巨峰の2倍にもなります。


初競り価格の過去最高額は、2021年の140万円。

仮のそのルビーロマンが1房に25粒ついていたとすると、


1粒なんと・・・


56,000円


驚愕の価格ですよね。


もちろん初競り価格はご祝儀相場とも言われます。

しかし通常価格でも、その値段は一房1万円を超えます。


それが、日本最高級ブドウ「ルビーロマン」です。


上品な甘さと程よい酸味、とってもジューシー


甘さは上品でとても強く、

酸味は弱めで、甘さをほどよく引き立てます。

果汁は、皮をむいたとたんに滴るほど豊富です。


一般的には皮はむいて食べますが、スーっと簡単にむくことができ、とても食べやすいぶどうです。


ルビーロマンの厳しい基準


・糖度18以上 

・一粒がおおむね20g以上 

・色がカラーチャートに適合している


 この基準をクリアしたものだけが、「ルビーロマン」を名乗ることが許されます。


高価なフルーツですから、審査基準は当然厳しいもの。


集荷場に集められた、名前のない赤く大きなぶどうは、「ルビーロマン倶楽部」のJA検査員によって、1房ごとに以下の基準で厳格な審査を受けます。


全てをクリアしたものだけが、「ルビーロマン」の証としての認証シール、裏面に検査員名が押された「認証タグ」、産地名、生産者名が記入された「生産者シール」が一つ一つにつけられます。


大きくて真っ赤なぶどうは、こうして「ルビーロマン」となるのです。




ルビーロマンの規格・等級


「等級」は、以下の5つに分けられます。


・・・房型が優れ、粒重が概ね20g以上

秀G・・・房型が優れ、粒重が概ね30g以上

特秀・・・房量、粒ぞろいが優れ、粒重が概ね20g以上

特秀G・・・房量、粒ぞろいが優れ、粒重が概ね30g以上

プレミアム・・・品質外観が優れ、粒重がすべて30g以上で一房700g以上


「重さ」では、500g未満は専用のトレーに、500g以上からは専用の化粧箱に入れられ商品化されます。


「500g・秀」「800g・特秀」「1000g・秀G」のように、「重さ」「等級」で分類され、それぞれの価値に見合った価格で販売されます。


プレミアム等級が与えられたルビーロマンは、最高峰の証として“PREMIUM”(プレミアム)の表記が入りますが、この基準を満たすルビーロマンはなかなか現れず、かなりの希少品となります。


ルビーロマンの歴史と取り組み




時代が望んだ、大粒の赤いぶどう


「石川県にも、オリジナルの赤くて大きなぶどうが作れないか」 


そんな願いが結実したぶどう、それが「ルビーロマン」です。


石川県では、ルビーロマンの他にも巨峰、ピオーネ、デラウェア、シャインマスカット、その他様々なぶどうが作られていますが、ルビーロマンが出る以前は、デラウェアが中心的存在でした。


しかし、消費者のニーズは高級感のある大粒のぶどうへと移り変わっており、石川県にも、オリジナルの赤くて大きな高級ぶどうが作れないかという声が上がっていました。


ルビーロマン、始動


平成7年の春。

願いをかなえるべく、石川県農業総合研究センター砂丘地農業研究センターが、第一歩を踏み出します。


「藤稔」という黒色の大粒ブドウから採取した種400粒を、試験農場の片隅に播き、新種ぶどうの開発を始めたのです。




ルビーロマンの始祖誕生!


平成9年頃。

種をまいてからおよそ2年後のこと。

ようやく幼木が実を付け始めます。

そして400本の中で、わずかに4本だけが、赤い実を付けたのです。


平成14年。

味、色、房や粒の大きさなどの品質や、栽培のしやすさなどの地道な調査を繰り返し、赤い実をつける1本の樹をようやく選定することができました。


これがルビーロマンの始祖となります。

400粒の種をまいてから、実に7年後のことでした。




ルビーロマンの特性は優れていた


平成15年から平成16年にかけて、「藤稔」「安芸クイーン」という他のぶどうの2品種との特性比較が行われ、ルビーロマンの優れた部分が示されました。


差が表れた特性を、一部紹介します。


「果房重」

(一房の平均的な重さ)

ルビーロマン:456.4g

藤稔    :392.6g

安芸クイーン:342.5g


「一粒重」

(一粒の平均的な重さ)

ルビーロマン:21.6g

藤稔    :14.9g

安芸クイーン:13.5g


「着粒数」

(一房につける粒の平均値)

ルビーロマン:20.5

藤稔    :25.9

安芸クイーン:24.7


「花ぶるい」

(開花数週間で花が落ち、実がスカスカになる現象)

ルビーロマン:中

藤稔    :中

安芸クイーン:多


「裂果性」

(栽培中に実が割れてしまう現象)

ルビーロマン:中

藤稔    :多

安芸クイーン:少


「はく皮」

(皮の剥きやすさ)

ルビーロマン:易

藤稔    :中

安芸クイーン:中


「糖度」

ルビーロマン:19.8

藤稔    :18.6

安芸クイーン:20.2


「酸度」

ルビーロマン:0.43

藤稔    :0.54

安芸クイーン:0.51


※引用元:石川県農業総合研究センター研究報告27「ぶどう新品種‘ルビーロマン’」


ひときわ目立つのは、「果房重(一房の重さ)」「一粒重(粒の重さ)」。


ルビーロマンが両方とも突出しており、ひときわ大きなぶどうであることがわかります。


「花ぶるい」とは、開花後数週間で花が落ちてしまうことで、実がスカスカになってしまう現象です。


ルビーロマンは他と比べ、花ぶるいの程度が強いということはありませんでした。


「裂果性(実が割ける現象)」も藤稔や安芸クイーンに劣っておらず、「はく皮(食べるときの皮の剥きやすさ)」はルビーロマンだけが「易」。


実際、スーッと容易に皮がむけます。


このように、基本的な特性を見る限りは、ルビーロマンは優れた新品種という結果が得られていました。


名前は公募で決定


平成16年。

開発を始めてから9年、実はまだこの赤くて大きなぶどうにはまだ名がなく、石川県民の中で公募を行うことになりました。


結果、金沢市在住のフリーライターの案が採用され、「ルビーロマン」という名称に決定しました。


艶やかな色合い、そしてその大きさにロマンが感じられるような、素敵な名前です。


念願の品種登録が完了


平成17年3月。

農林水産省へ品種登録を申請。


同年、現地栽培試験を開始(県内5産地、50本)しました。


同年9月。

ルビーロマンを県の戦略作物に選定しました。


平成18年2月。

ルビーロマン研究会設立。現地栽培試験を拡大(県内5産地、130本)。


平成18年9月。

関係者を招いてお披露目会を開催。


平成19年3月。

苗木1,000本を新植。品種登録が完了。


ようやく、ルビーロマンデビューの準備が整いました。




市場デビュー。最初の初競り価格は〇〇万円!


平成20年の8月11日。

開発からおよそ13年後、とうとうこの日がやってきました。


日の目を浴びる記念すべき日、それは、金沢中央卸売市場にて、ルビーロマンが初競りにかけられた日です。


初めての初競り価格は、


10万円!


JA金沢市とJA石川かほくから出荷された48房に、最高10万円、平均で約2万7500円の値がつけられました。

ぶどうの初競り価格としては、破格の部類です。


1週間後、8月18日。

ひときわ大きく鮮やかなルビーロマン一房が、なんと「プレミアム」等級の審査をクリア!

「プレミアム」等級は、今でもめったに出ることのない、とても希少な等級の、栄誉ある最高の一房です。


やがて、JA金沢、JA石川かほく、JAはくい、JA加賀、JA小松と、県内全5産地のルビーロマンが市場に出そろいました。


石川県庁では、『「ルビーロマン」を楽しむ会2008』が催されて市場デビューを祝いました。


9月24日。

その年のルビーロマンの出荷が全て終了しました。


平成22年。

東京市場にデビュー。


平成23年。

大阪市場でもデビュー。


石川県外へも進出を果たし、以来、毎年金沢・東京・大阪にて初競りが行われ、市場に賑わいをもたらし続けています。


困難と向き合う日々が始まった




834房しか出荷できなかった


デビュー年度の出荷総房数は、見込みの6割弱の、834房でした。


デビュー年度、ルビーロマンの出荷総房数をおよそ1500と見込んでいました。


ルビーロマンの初年度の締めとなる日、それは同時に、未来に向けて、困難との格闘が始まった日でもありました。




困難との戦いが始まった


1. ルビーロマンの生産者や農地の増加 

2. ルビーロマンの生産者の技能の蓄積・向上


この2点が、明白な必須課題でした。


ルビーロマンの栽培は、ぶどう類の中でも難易度が高いと言われています。


それでも、もっともっと生産性を高めていかなければならず、待っていたのは、もちろん数々の困難。


以下に、真摯に取り組んできた困難や課題を、いくつか紹介します。


『栽培の技術や効率化の問題』

・「花ぶるい」による着粒不足に対する専用の溶剤の検討

・満開時の「花かす」を落とすのに、農研機構果樹研究所が花冠取り器を考案

・ひび割れの原因究明、防止・軽減対策 

・着色不足に対し、光環境の改善、有効な温度、農場の明るさを簡単に測定できる手法の開発の検討 

・粒の付け根側でも糖度が推定できる補完カラーチャートを作成

・天候の変化による日焼けや粒の軟化などに対し、日焼け防止法、袋をかぶせて被害を軽減する技術の検討


『品質・貯蔵技術の向上』

・早い段階で収穫時の粒の重さを推定する方法

・粒がより大きく美しくなるための、樹勢や光環境の解明

・冷蔵における最適な鮮度保持期間についての検討

・貯蔵中に発生するカビ予防

・抗菌シートを用いた粒の鮮度保持

・貯蔵期間を拡大する効果的な資材の追求


『熟練農業者のノウハウ共有策』

・ジベリレン処理や、摘粒のノウハウの共有

・熟練農業者のノウハウを動画で学習できるアプリなどの開発 以上は、取り組みのごく一部です。


さらにその他に、以下を定期的に開催しました。

・砂丘地農業研究センターでの栽培講習会(実演を交えながら講習)

・現地合同巡礼会(生産者同士が意見交換)


これらを通じて、ルビーロマン関係者が総出で、講習、技術の共有、意見交換などを行い続けました。


少しでも高品質のルビーロマンをひと房でも多く出荷できるよう、妥協することなく、一歩ずつ前進し続けました。




初競り価格・出荷総房数は伸び続けた


地道な努力の結果、初競り価格、出荷総房数は上昇基調で推移し続けました。


以下が、年度別の初競り価格、出荷総房数の推移です。


年度・初競り価格・出荷総房数

2008(H20) ・10万円 ・834房

2009(H21) ・21万円 ・2807房

2010(H22) ・20万円 ・4814房

2011(H23) ・50万円 ・8522房

2012(H24) ・30万円 ・10871房

2013(H25) ・40万円 ・11372房

2014(H26) ・55万円 ・15120房

2015(H27) ・100万円 ・17750房

2016(H28) ・110万円 ・23495房

2017(H29) ・111万円 ・21126房

2018(H30) ・110万円 ・21126房

2019(R 1) ・120万円 ・22069房

2020(R 2) ・130万円 ・25362房


出荷総房数は、デビュー年度の834房から、およそ30倍の25363房にまで伸ばすことができました。


初競り価格も最初の10万円から、ここ数年は常に100万円を超えています。


これらの結果は、ひとえに、生産者と関係者の努力の成果そのものでしょう。




「香り」成分が豊富という科学的論拠


ルビーロマンの個性的な香りの、科学的な裏付けがなされました。


2015年、石川県農林総合研究センター農業試験場により、ルビーロマンの「香り」に寄与する成分が、他の品種と比べてかなり多いことが研究結果で示されたのです。


房に含まれる香りを、ルビーロマン、巨峰、デラウェア、シャインマスカットの4品で比較。


結果、一房が発する香りに含まれる揮発性成分の種類が、巨峰10、デラウェア6、シャインマスカットが4なのに対し、ルビーロマンはなんと16!


さらに、そのうちの12成分は一般に「甘い」「フルーティー」という「香りの特徴」をもつ成分でした。


果肉のみの香り成分では、さらに1つを加えた5品種で比較され、再びルビーロマンが最も多いという結果。


さらに「エステル類」というジャンルに分類される成分を巨峰と比較したところ、1つを除く6つの成分が、巨峰よりルビーロマンの方が高濃度で含まれているという結果となりました。


これらの科学的検証により、ルビーロマンの個性的な香りの裏付けがなされました。


※引用元:石川県農業総合研究センター研究報告31「ブドウ‘ルビーロマン’の糖、有機酸および揮発性成分の分析」


ルビーロマンの今




一房1万円以上で売られている


化粧箱に入りの最小の500gでも、一房1万円を超えることがあり、もっと重くて等級が優れたものが3~4万円で販売されることも珍しくありません。


粒売りも行われ、1粒数百円から販売されます。


ルビーロマンは、今では石川県の夏の風物詩。


ギフト・贈答用として購入される場合が多い


このような高価な高級フルーツは、ギフト・贈答品として購入される場合が大多数です。


ルビーロマンの出回る7月から9月には、「お中元」「暑中見舞い」「残暑見舞い」など、何かとギフトを贈る場面が多いのも要因の一つでしょう。


また、そのような時節のギフトではなく、純粋に地元の特産品として贈る方もおられます。


もちろんご自宅用としてお買い求めになられる方もいらっしゃいます。


「ひと夏に1回は食べます」

「これ、好きなんです」


など、理由はさまざまです。




飲食店のスイーツ・様々な加工品


ルビーロマンが出回る期間は、フルーツパーラー、レストラン、喫茶店などの様々な飲食店が、パフェやゼリーなど様々なスイーツを作って楽しませてくれます。


加工品も多く作られました。


アイス、ワイン、チョコレート、キャンディー、シュークリームなど、各社がオリジナル商品を開発し、ルビーロマンの新しい味わいの形を与えてくれます。


私たち堀他でも、パティスリー&パーラーHorita205nodaにて、ルビーロマンを贅沢に用いたパフェをご提供し、加工品としては、ルビーロマンアイスルビーロマンキャンディーを開発、販売しております。




堀他はデパートだけで403房の販売実績


私たち堀他は、ルビーロマンの取扱量全国No.1です。


金沢の老舗デパートの実店舗・堀他香林坊大和店では高級フルーツを長年主要商品として取り扱い、同じく2020年度においては403房を、お中元、暑中見舞い、残暑見舞いなどで販売いたしました。


他にも、アイスクリーム、キャンディーなどの加工品、直営のフルーツパーラーにてのスイーツ素材、その他様々な媒体を通しての販売も含めると、トータルの取扱量はその数倍にもなるでしょう。


ルビーロマンの取り扱い方法


繊細なルビーロマンの取り扱い方


ルビーロマンは、とても繊細なぶどうです。


ギフト包装などの場合は、極力揺らさない、衝撃を与えないことに気を配るなど、より慎重に取り扱う必要があります。


ルビーロマンは他のぶどうに比べ、粒がぐらつき、脱粒しやすい傾向があります。


大切な方への気持ちを届ける代行者として、最新の注意を払いつつ、ギフト包装を行います。




専門家にお任せ。個人での包装はやめよう


ルビーロマンはギフトに適したフルーツです。


デパートやフルーツ専門店、スーパーなどでも販売されます。


もしギフトで贈る場合、ご自身で購入して発送することは避けた方がよいです。


先述の通り、ルビーロマンは繊細なフルーツ。


もし贈り先に届いたときに粒がポロポロ落ちたらとても残念。


ルビーロマンの経験が豊富な販売員さんなどにお任せしましょう。



当サイトでは、例年6月よりルビーロマンのご予約を開始し、


出荷量、品質がもっとも安定するお盆あたりより


発送しております!


ご注文はこちら


まとめ


石川県が誇る最高級ぶどう「ルビーロマン」は、真っ赤なで大きなぶどうで、甘くとてもジューシー。


開発から現在まで様々な困難を乗り越え発展し続けてきたルビーロマンは、初競り価格では一房100万円を超え、通常でも1万円以上で販売され、主に夏のギフト・贈答品として重宝されます。


様々な加工品、飲食店でのパフェなど楽しみ方も広がっています。


非常に繊細で取り扱いの難しいフルーツなので、お贈りの際は専門家に任せましょう。

営業カレンダー
Calendar

下記営業カレンダーになります。
休日となる日は、通販の配送等も対応しかねますので
ご了承くださいませ。

金沢のフルーツ専門店・ギフトなら堀他(HORITA)
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